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Kindle Paperwhiteがいつの間にか調べ物最強デバイスに化けてた件について

2015/02/25

 数日前の昼間、こんなネタが流れてきました。amazonkindleは存在自体知らなかったんですが、デバイスで付けたハイライトを同期させてWebページから一覧で見られ、しかもPC用のビューアをインストールしてあれば該当箇所に簡単に飛べると。忙しさにかまけてMac版Kindleの動作チェック後回しにしていたんですが、こんな話を聞いては試さずにはいられません。

さっそくやってみた

ハイライトしたい範囲を選択 まずはMac版Kindleをインストールしてログインし、同期対照の電子書籍をダウンロードしておきます。そしてKindle PaperWhiteでハイライトしたい範囲を選択します。

ハイライト箇所を同期 次にインターネットに繋がる環境で、設定メニューの「同期してアイテムをチェック」でハイライト箇所を同期。

ハイライトした箇所が一覧で出てくる その上でamazonkindleにログインし、「Your Hilights」をクリックすると、今ハイライトした箇所が一覧で出てきます。そのテキスト末尾の「Read more at location〜」をクリックすると、見事にMac版Kindleが立ち上がってハイライトした箇所が表示されました。

 素晴らしい!未来、来ましたね。これなら紙の本に付箋を貼りながら読み込み、大事な箇所にマーカーで書き込むのと手間は変わりませんし、ハイライトした箇所を一覧で見られることを思えばむしろこちらの方が利便性は上です。amazonkindleの画面上からならコピー&ペーストもできますから、調べ物的な読書ならこれは相当に便利です。もちろんハイライトをつけることはiOS版、Android版などのKindleアプリでもできます。最高。

そしてさらに気づいてしまった

串刺し検索の一覧表示 そして昨日、Kindleの表示チェックをしている時に、さらにとんでもないことに気づいてしまいました。いつの間にか、Kindle PaperWhiteのホーム画面上の検索機能から、手持ちのデバイス内に入っている電子書籍全てに対しての串刺し検索ができるようになっていたことを。
 これ、いつごろから実装されていた機能なんでしょうか。ちょっとわかりませんが、どうもそれなりに前からあった機能のようです。PCならそう難しくもないでしょうが、Kindle PaperWhite程度のデバイス処理能力でこれを実装するのは相当大変だったはず。
 これができれば、上記のハイライト同期と合わせて、現状調べ物的な読書には最強の環境が整ったと言えるのではないでしょうか。Amazonが地道に整えてきた単体ではそこまで目を引かない地味な機能の集積が、ここにきてついに繋がり始めた感があります。ここは素直に開発チームに賞賛の気持ちを送りたいです。ついに電子書籍はここで紙の本を超えました。

 さて、そうは言っても私も欲張りな読者の一人ですので、まだまだ不足を感じる点はあります。ということで、ここでAmazon開発チームおよび、他ストアのビューア開発者に対して「次」に望みたい点に関しての要望を出しておきたく思います。

一括検索機能をPC/Mac版Kindleでも使えるように

 まずは当然、Kindle PaperWhiteだけでしか一括検索が使えないという点には不満を覚えます。率直に言いまして、一括串刺し検索はむしろPC/Mac版のKindleアプリと親和性の高い機能なのではないでしょうか。複数の書物にまたがって調べ物をする際に、キーワード一括検索をかけ、該当箇所に自在に飛んだ上でハイライトをつけ、それを自在に抜き出してまとめ文を作るといった行為をする際に、PC/Mac単体で完結させたいと思うのは私だけではないはずです。ぜひ、PC/Mac版のKindleアプリにも早期の機能追加を望みたいところです。

PC/Macアプリ上で選択テキストをコピー&ペーストしたい

 さらに言えば、現状のPC/Mac版Kindleの「選択箇所のテキストのコピー&ペーストができない」という仕様も不満点です。おそらくこれは海賊版の流通を警戒する出版社に対して配慮した結果だろうとは思うのですが、長文のコピー&ペーストをできなくすれば海賊版の流通が減り、出版社の利益が増えるはずというのはおよそ幻想に過ぎないように思えます。利用者の利便性を損ねることで利益が増えるわけがありません。大体OSが標準で持っている機能を制限するということ自体、相当な無理筋です。こういう意味の無い機能制限は早く撤廃して欲しいところです。

書棚内のグループ分け/グループ内検索機能の追加

 現在Kindleで実装されているのは、デバイス内全ての本のみを対象とした一括検索機能のみです。ただこれでは、手持ちの本が1000冊、2000冊と増えていった場合には、検索結果があまりに多くなりすぎ、利便性を損なうことになりそうです。また、そうでなくともKindleのビューアは本の分類や並べ替えといった部分の機能が貧弱で、すぐに本がどこに行ったかわからなくなりがちです。そこで、まずは手持ちの本の分類機能を実装し、合わせて分類したグループ内の本に対しての串刺し検索機能を希望したいところです。

 といったところでしょうか。まああとは「他のストアで購入した本を含めた串刺し検索・ハイライト抽出」なんですが、まあこればっかりは一朝一夕には無理そうかなと・・・

(2015.2.25)

プロフィール
Jun Tajima

こちらにて、電子書籍&Web制作を担当しています。
このブログは、EPUB3をはじめとした電子書籍制作担当オペレータからの、「電子書籍の制作時にたとえばこんな問題が出てきていますよ」的な「現地レポート」です。少しでも早い段階で快適な電子書籍閲覧・制作環境が整うことを願って、現場からの声を発信していこうと目論んでおります。

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