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緊デジフィックス型EPUB3用XHTML生成スクリプト

2012/10/30

 前回のエントリに引き続き、緊デジ用のスクリプトを公開します。そもそもこちらのスクリプトはスタジオ・ポットSDの日高さんの制作されたPHPスクリプトです(いきなり送られてきて割とびっくりしました(汗))。これはあらかじめPHPソース「mk-epub-fixed.php」を開いて出力する総ページ数を書き換え、同じく「source.xhtml」内の書籍タイトル名を書き換えた上でターミナル(Windowsの場合はコマンドプロンプト)からスクリプトを実行すると、xhtmlフォルダ内に連番でリネームされたxhtmlファイルが生成されるというものです。
 あとはimageフォルダ内にスキャン済の各ページの画像を入れ、OPFファイルや目次を整えれば緊デジフィックス型EPUB3の必要ファイルが一通り整います。
 なかなか便利そうなスクリプトと思いましたので、先方の許可をいただいて私のブログで公開させていただくことにしました。

Mac用GUI版

Mac用GUI版

 そのまま公開するのもあまりに芸がありませんので、ぺージ数だけ引数で指定できるようにしたものと、Mac用に簡易GUIを付けたものを別に作ってみました。GUIプログラムに関しては説明するまでもないと思いますので、以下、主にコマンドライン版の説明をします。

 なお、WindowsのコマンドプロンプトでPHPのプログラムを実行するには、あらかじめPHPのプログラムをインストールし、パスを通しておく必要があります。こちらこちらなどを参考に、PHPの実行環境を整えておいてください。ちなみに私の環境では、XAMPPをインストールした上で環境変数の末尾に「;C:\xampp\php」と追加してパスを通すことでOKになりました(コマンドプロンプト画面で「php -v」と入力し、PHPのバージョンが表示されればOKです)。

ターミナルの文字エンコーディングをUTF-8に

文字エンコーディングをUTF-8に

 Mac OS Xに関してはもともとシステムにPHPがプリインストールされています。私の手元の環境で確認した限りではMac OS X 10.6/10.7では問題なく実行できるようです。ただ、私の制作しましたGUI版のプログラム版を実行する場合、引数に日本語を指定する関係上、ターミナルの言語環境が「日本語(Mac OS)」などになっていると正常にファイルが生成されないことがあるようです。あらかじめターミナルの「環境設定」メニュー「詳細」タブで、文字エンコーディングを「Unicode(UTF-8)」に設定した上でスクリプトを実行してください。

1 ファイル出力フォルダを整える

フォルダ構成

フォルダ構成

 こちらのスクリプトは緊デジフィックス型EPUB専用のファイル生成スクリプトで、「item」フォルダ内に「xhtml」フォルダがあることを前提に連番のxhtmlファイルを生成します。この条件を満たすためにあらかじめフォルダ構成を整えておく必要があります。Finder上でゼロからフォルダを作るなら「item」フォルダを新規に作成し、「mk-epub-fixed.php」及び「source.xhtml」のファイルをコピーして、「xhtml」フォルダを作成してください。緊デジのテンプレートを元にしてももちろん問題ありません。

2 「source.xhtml」内のタイトル名を書き換える

タイトル名を書き換え

タイトル名を書き換え

 「source.xhtml」をテキストエディタで開き、「〓タイトル〓」の部分を書籍の題名に合わせて書き換え、セーブします。

3 「source.xhtml」内の短辺のピクセル数を書き換える

短辺のピクセル数を書き換える

短辺のピクセル数を書き換える

 さらに、「source.xhtml」内の、「〓短辺ピクセル数〓」の部分(3ヶ所)をスキャン画像の短辺のピクセル数に合わせて書き換え、セーブします。なお、緊デジフィックス型(電書協EPUB3ガイド仕様)の場合、全ての画像の縦横のピクセル数を統一することが規定されています。緊デジの規定では長辺のピクセル数は1536ピクセル固定です。

4 「mk-epub-fixed.php」内の出力ページ数を書き換える

出力ページ数を設定

出力ページ数を設定

 同じく「mk-epub-fixed.php」をテキストエディタで開き、「$counter = XXX;」のXXXの部分に出力ページ数を入力します。
 なお、ページ数を引数で入力できるようにしたバージョン(mk-epub-fixed-pagenumimport.php)では、こちらのステップは必要ありません。

5  コマンドプロンプト/ターミナルからスクリプトを実行します

ターミナルからスクリプトを実行

ターミナルからスクリプトを実行

 まず、「CD “itemフォルダ名へのパス”と入力し、カレントディレクトリを切り替えてから(CD+半角スペース入力後にFinderからitemフォルダをターミナルにドラッグ&ドロップ、リターン)、「php mk-epub-fixed.php」と入力してスクリプトを実行すると、xhtmlフォルダ内に指定したページ数のXHTMLファイルが生成されます。
 なお、ページ数を引数で入力できるようにしたバージョンを使用する場合には、「php mk-epub-fixed-pagenumimport.php xxxの形で指定してください(xxxの部分にページ数を入力)。

ダウンロードは以下からどうぞ。

mk-epub-fixed元バージョン (919)
mk-epub-fixed-pagenumimport(ページ番号入力対応バージョン) (868)
Mac/Winのターミナル/コマンドプロンプトで使用。

緊デジフィックス型EPUB3用XHTML生成.app(Mac用GUI対応版) (856)
(ユニバーサルバイナリでビルド、Mac OS X 10.6/10.7にて起動確認済。Mac OS X 10.5でも起動自体は可能ですが、実行時にエラーが出ました。おそらくプリインストールされているPHPのバージョンの問題と思われます。こちらあたりを参考にPHPのバージョンを5に上げれば動作するのではないかと思うのですが未検証です。)

 なお、こちらのアプリを利用したことによって生じた損害等に関しまして、私として一切の責任は負いかねますので、あくまで自己責任でご利用ください。

(2012.10.30)

 日高さんの所属を「スタジオ・ポットSD」に修正しました。また、コンテンツによってそれぞれ画像の短辺サイズ指定値を変える必要があるとのご指摘をいただき、表記を修正いたしました。コマンドライン/ターミナル用スクリプト及びMac用GUIプログラムも同様に修正しました。

(2012.10.30追記)

OPFパッケージファイル生成アプリ(緊デジ用)を公開します

2012/10/25

uuid自動生成、kindle用パラメータ入力に対応した新バージョン『電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0』をリリースいたしました。どうぞご利用ください。

 EPUB3をゼロからハンドコーディングで制作するにあたって比較的敷居が高いと思われるのが、パッケージファイル(opfファイル)の作成です。すでにご存じの方も多いかと思いますが、EPUB3はおおざっぱに言ってWebの標準技術であるXHTML(HTML5)とCSSを用いて制作したドキュメントをZIP形式で圧縮したものですが、含まれる画像やXHTML文書などの各種ファイルはパッケージファイルに所定の形式で記載しておく必要があります。また、ページの並び順や綴じ方向、出版社名や著者名などの各種書誌情報も全てパッケージファイルに記述しておかなければなりません。

 先日発表された電書協EPUB3制作ガイドでもこのパッケージファイルの記述方法はきちんと規定されており、このガイドの仕様を採用した緊デジでのリフロー型EPUB3制作でも、当然きっちりと規定通りにパッケージファイルを記述する必要があると思われます。これは慣れない人間にとってはXHTMLやCSSの記述以上に取っつきにくい作業になりそうで、電書協EPUB3制作ガイドで書き換えの必要な箇所を色分けして指示しているとはいえ、入力時の間違いが多発しそうな感じはあります。
 私の所属している会社でもこれは当然他人事ではありませんので、間違いのない記述を行うために専用の入力フォームアプリを制作し、対処することにしました。こちらを今回公開させていただきますので、制作時の役に立てていただければ幸いです。

仕様・ダウンロード

アプリ名:OPFファイル生成(緊デジ用)
対応環境:Mac OS 10.4〜10.8
動作チェック済環境:Mac OS 10.5(PowerPC)/Mac OS 10.6/Mac OS 10.7

入力画面
※ビルド自体はMac OS 10.4までをターゲットにIntel/PowerPC両環境を対象としたユニバーサルバイナリ対応で行っていますが、当方にテスト環境がないためOS 10.4での起動チェックはできていません。おそらくOSにプリインストールされているperlのバージョンにも依存します。

※Mac OS 10.8でのチェックも出来ていないのですが、10.8には「Gatekeeper」という非登録デベロッパのアプリを実行出来なくするセキュリティ機能が搭載されているため、おそらくデフォルトの設定では起動できません。「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」で「Gatekeeper」の設定をオフにすれば起動できるかと思います。将来的には対応を検討中です。

※こちらのアプリは、電書協EPUB3制作ガイド_ver1.1及び、緊デジテンプレート(2012年10月22日発表版)の仕様に沿って制作されたリフロー型EPUB3コンテンツ専用のOPFパッケージファイル作成アプリです。他の形式のEPUB3コンテンツ制作に使用していただくことは可能ですが、ファイル構成、パス指定などは異なっている可能性があり、それぞれのケースにあわせて書き換える必要があります。あらかじめご了承ください。また、こちらのアプリを利用したことによって生じた損害等に関しまして、私として一切の責任は負いかねますので、あくまで自己責任でご利用ください。

>>OPFファイル生成(緊デジ用)ver 1.2.3 ダウンロードはこちら

※ダウンロード先を私の所属する会社のホームページ内ダウンロードコーナーに移動しました。内容の改訂等は行っていません。

>>電書協EPUB3用OPFファイル生成ver 2.0 ダウンロードはこちら

※uuid自動生成、kindle用パラメータ入力(kindlegen2.8にて検証済)に対応した新バージョンです。

使い方

page-spread-left指定

page-spread-left指定

 画面上の各項目を入力もしくは選択し、「OPF生成」のボタンを押せばファイルの出力先を尋ねるダイアログが出ますので、保存先を指定すればそちらに「standard.opf」の名称でOPFファイルが出力されます。簡単です。なお、画像フォルダ及びXHTML文書の収納フォルダはフォルダ名を取得してパスに組み込みますので、実際にEPUB内に収納するものと同じフォルダを指定してください。CSS及びナビゲーション文書は電書協EPUB3ガイドの仕様に従ってファイル名・パス共に決め打ちで出力します。EPUB3圧縮時には、規定の場所にそれぞれのファイルを配置しておくようにしてください。

 出力後、OPFファイルをテキストエディタで開き、以下のポイントをチェック・修正してください。

  1. 改行コードは「CR(Mac)」で出力されます。電書協EPUB3制作ガイドでは、パッケージ内の各文書の改行コードを統一することを推奨していますので、必要であれば修正してください。
  2. 全てのXHTMLドキュメントを見開き時片ページ始まり指定で出力します。出力された「standard.opf」ファイルの「<spine>」指定内、各「<itemref〜」行末尾の「properties="page-spread-left"」(左綴じではpage-spread-right)記述部分がそれに相当します。各XHTMLドキュメントの内容を確認し、片ページ始まりが必要なければこの部分の記述を削除してください。
  3. 「<itemref〜」行のファイルの並び順は、EPUB文書としてのページングの順番に相当します。ファイルの並び順を確認し、必要であれば入れ替えを行って下さい。
  4. 緊デジでのコンテンツ制作以外の目的でこちらのツールを利用する場合、JP-eコードに関する部分の記述をuuid等に差し替える必要があります。JP-eコードはそれぞれの電子書籍に対して与えられるユニーク値ですので、JP-eコードを適当に入力した電子書籍を配布することは絶対に避けてください。uuidの生成に関してはこちらが参考になります。また、ヘッダ行にもJP-eコードに関する記述がありますので、記述を変える必要があります。電書協ガイドに沿ったコンテンツ制作の場合は、電書協ガイドのサンプルのヘッダ部分の記述を引き写せばOKです。
    →uuid自動生成に対応した「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」をご利用ください。

 なお、電書協EPUB3制作ガイドでは、カバー、本文など各文書に用いるXHTMLのファイル名をきちんと規定しています。電書協EPUB3制作ガイドおよび緊デジテンプレートの記述の規則に従ってファイル名が付けられていた場合、こちらのアプリが自動で望ましいと思われる順番に文書を並び替えて出力します。規則から外れていたファイルについては、「<itemref〜」行末尾にシステムのソート順に従って記述されます。外字ファイルなどの命名規則もこれと同様です(緊デジテンプレートの記述規則に従います)。

 電書協EPUB3制作ガイド/緊デジテンプレートのXHTMLファイル名命名規則は現状、以下の通りです。

  • カバー:p-cover.xhtml
  • 前付け:p-fmatter-00x.xhtml(連番) ※1
  • 本扉:p-titlepage.xhtml ※1
  • 電子化注意書き(底本組方向の記述):p-caution.xhtml ※1
  • 目次:p-toc.xhtml ※1
  • 本文:p-00x.xhtml(連番)
  • 底本奥付:p-colophon.xhtml
  • 広告:p-ad-00x.xhtml(連番)
  • 電子化奥付:p-credit.xhtml
  • 白紙ページ:p-white.xhtml(連番になるパターンもあり) ※2

また、特にファイル名を規定しているイメージファイルは以下の通りです。

  • カバー:cover.jpg
  • 底本奥付:original_credit.jpg ※1
  • 外字:cid-xxxxx.png(Adobe-Japan 1のCIDコード番号を指定)※1
  • 底本奥付:i-colophon.jpg ※2
  • 電子化奥付:i-credit ※2
  • 本文ページ:i-xxx.jpg(連番) ※2
  • 白紙ページ:i-white.jpg(連番になるパターンもあり) ※2

※1 リフロー型のみ  ※2 フィックス型のみ

 緊デジでのリフロー型EPUB制作では、本文用のXHTMLを作り、画像を整えてOPFパッケージファイルを生成するところまで出来てしまえば、あとはテンプレとして支給されるCSSを割り当て、カバー、目次、クレジット等のテンプレHTMLを書き換える程度の簡単な作業でEPUB3は作れます。

(2012.10.25)

 @lost_and_foundさんのご指摘をいただき、「役割(role)」のドロップダウン項目リスト内容及びヘルプ文書を修正しました。

(2012.10.25追記)

 左綴じコンテンツ出力時のパラメータが「ltl」となってしまっていたのを「ltr」に修正しました。また、image/xhtmlフォルダ未選択時のエラーメッセージを追加しました。

(2012.10.26追記)

 緊デジフィックス型EPUB3用のOPFファイル出力に対応しました。「EPUB3のタイプ」トグルボタンでリフロー/フィックスの選択ができます。

(2012.11.1追記)

 緊デジリフロー型EPUB用の目次用xhtmlファイル「p-toc.xhtml」の同時生成に対応しました。事前に各見出し要素にid属性を付加しておく必要がありますが、目次ファイルを自動生成します。

(2012.11.5追記)

 タイトル名・著者名等に半角スペースが含まれていた場合に正常にファイルが出力されない問題、目次ファイルが正常に出力されない場合があった問題などに対処しました。

(2012.11.19追記)

 章扉が画像のパターンに対応しました。

(2012.11.26追記)

 「電書協EPUB 3 制作ガイド(Ver.1.1.1)」の公開に伴い、緊デジテンプレートも修正されましたので、これに対応する修正を行いました。メニュー選択でver1.1.1とver1.1を選択して出力できます。他、タイトル名に半角スペースが含まれていた場合に正常にファイルが出力されない問題の修正を行いました。
 なお、この更新に伴う修正点は、「ebpaj:guide-version」のバージョン番号表記(1.1→1.1.1)、フィックス型出力時のfallback記述の削除の2点です。

(2012.12.17追記)

ダウンロード先を私の所属する会社のホームページ内ダウンロードコーナーに移動しました。内容の改訂等は行っていません。

(2012.12.25追記)

ファイルIDのuuid自動生成対応、Amazon kindle用mobiファイルの自動生成に新たに対応した新バージョン「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」を公開いたしました。

(2013.4.4追記)

「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」のメニュー及びアラートの「〜読み(カタカナ)」を、「〜カナ(整列用)」のような表記に修正しました。機能的な変更点はありません。変更を適用した最新バージョンは2.0.1です。

(2013.5.9追記)

「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」で、リフロー型、Kindle対応の場合に出力されるOPFファイル中文内の表紙ファイルのリンク先を「cover.jpg」から「p-cover.xhtml」に修正しました。これはEpubCheck3.0.1でエラーが出力されることに対応したものです。変更を適用した最新バージョンは2.0.2です。

(2013.6.27追記)

「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」で、フィックス型、Kindle対応の場合のオプション「画面ロック方向を指定」で「縦長画面」を選んだ際に設定が反映されなかった問題を修正しました。変更を適用した最新バージョンは2.0.3です。

(2013.7.8追記)

「電書協EPUB3用OPFファイル生成 2.0」で、GIF形式のファイルの処理に対応いたしました。変更を適用した最新バージョンは2.0.4です。

(2013.8.22追記)

IDPFのバリデータに叱られてみた

2012/10/16

 「バリデータ」。DTP畑の方には言葉に聞き覚えのない方がおられるかも知れませんが、これは納品データが一定の仕様に沿っているかをチェックする整合性チェックプログラムのことです。IDPFは制作したEPUB3が仕様に沿っているかをチェックするためのバリデータを提供しており、無償で誰でも使うことができます。

 紙の印刷物の場合には、最終成果物はあくまで出力された紙であり、同じ出力結果が得られるのであればデータはどのように作ろうが自由でした。しかし、電子書籍の場合は事情が異なり、最終成果物はデータそのものであり、それはきちんとした仕様に沿って作られたものでなければなりません。特にEPUB3の場合はXMDFやドットブックよりも閲覧環境が多岐にわたるため、仕様に沿ってデータを作ることは重要です。従って、納品前に最低限「ちゃんとIDPFのバリデータを通るかどうかをチェックする」ことが必須になってくるわけです。先日発表された『電書協EPUB3制作ガイド』にも「最新版の epubcheck でエラーの出ないデータを制作すること」との記述があり、これは今後ごく当然の要求としてデータの納品時に求められてくるものと思われます。

 IDPFのバリデータは、EPUB3の容量が10MB以下であればこちらでwebサービス版を利用できますし、こちらから最新版Epubcheckをダウンロードすれば大容量のEPUBをチェックすることも可能です。ただ、こちらのツールはコマンドラインから利用するCUIのツールですので、コマンドラインツールに慣れていない方には少々敷居の高い面があることは確かです。そういった方には、Mac環境で利用できるこちらのGUIアプリケーション「EPUB Checker」をおすすめしておきます。内部的にIDPFのバリデータを利用しており、簡単なドラッグ&ドロップ操作でEPUBファイルをチェックすることができます。残念ながらWindows環境向けにはまだこれといったGUIバリデートチェックツールはなさそうで、早期の登場が望まれるところです。

 さて、今回は、実際にEPUB3を制作し、バリデートチェックをする際に私が遭遇したさまざまなエラーメッセージと、それぞれのエラーへの対処方法について書いてみます(画面はwebサービス版のものです)。正しいEPUBデータ制作の一助としていただければ幸いです。

パターン1 XHTML内「<meta>」行のエラー

XHTML内「meta」行のエラー 「File」はEPUB3パッケージ内ファイルのうち、問題のあったファイルを差しています。「Line」は問題のあった行で、「Message」はエラー内容です。正規表現を用いて書かれているので若干わかりにくいですが、この場合は、「cover.xhtml」ファイル内5行目の「<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=utf-8" />」のうち、「http-equiv」の属性値が不正なので修正せよと言われています。これはJBasic08の公式サンプルをそのまま使用した場合に遭遇するエラーです。
 エラー内容をそのまま適用すれば、「Default-Style」もしくは「Refresh」に修正することになりますが、最近のサンプルではこの行は「<meta charset="UTF-8" />」となっているものを多く見かけますので(電書協ガイドもこの表記)、そうした表記に変更する形で良いと思われます。また、この行そのものを記述しなくてもそう問題はないようです。

パターン2 「navigation.xhtml」内「nav.css」のリンクエラー

「navigation.xhtml」内「nav.css」のリンクエラー オーサリングツールとしてFUSEeβを使用している時に良く遭遇するエラーです。目次ファイル「navigation.xhtml」内にスタイルシート「nav.css」へのリンクが記載されているのに、実際にはファイルが存在しないことによりエラーが出ています。これはFUSEeβのデフォルト設定のため、頻繁にこのエラーに遭遇します。
 一度EPUBパッケージを解凍して「navigation.xhtml」内の「nav.css」へのリンク行を削除するか、あるいは内容は空でも構わないので「nav.css」を作成してFUSEeβで再度EPUB3ファイルを書き出せばこのエラーは消えます。

パターン3 空の「images」フォルダがある

空の「images」フォルダがある 電書協EPUB3ガイドの仕様では、画像を収納するフォルダ名は「image」です。しかしFUSEeβの標準仕様では画像フォルダ名は「images」で、FUSEeβ内で画像フォルダ名を「image」に変更することはできますが、何故か書き出し時に空の「images」も書き出され、このエラーが出ます。
 一度EPUBパッケージを解凍し、空の「images」フォルダを削除することでエラーは消えます。

パターン4 目次ファイル内に「<ol>」タグが連続で記述されている

目次ファイル内に「ol」タグが連続で記述されている 目次ファイル内に「<ol>」タグが連続で記述されているとこのエラーが出ます。FUSEeβの環境設定の「カバー・目次」の項目で、「<h1>〜<h3>タグを目次に含める」(目次に含めるタグ範囲は任意選択可能)の項目をオンにしていると、目次ファイル内に<ol>タグが連続する形でデータが書き出され、このエラーが出るようです。
 一度EPUBパッケージを解凍し、目次ファイル内の<ol>タグのうち内側のものを消すかコメントアウトすればこのエラーは消えます。

パターン5 パッケージ内にOPFファイルに記述されていない画像がある

パッケージ内にOPFファイルに記述されていない画像がある 画像フォルダ内にOPFパッケージファイルに記述されていない画像ファイルがある場合のエラーメッセージです。FUSEeβなどのツールを使用しているとOPFファイルへのファイル名の自動登録を行ってくれるため、このエラーに遭遇することはありませんが、ハンドコーディングでEPUB3を作成している場合などに、OPFパッケージファイルに画像ファイル名を記述し忘れるとこのエラーに遭遇します。適正にパッケージファイルへの記述を行えばエラーは消えます。

パターン6 パッケージ内にOPFファイルに記述されている画像がない

パッケージ内にOPFファイルに記述されている画像がない パターン5の逆で、パッケージファイルには画像ファイル名の記述があるのに実際にはファイルがない場合です。画像ファイルを入れ直す、(必要なければ)OPFファイル内の画像ファイルの記述を削除するなどの操作をすることでエラーは消えます。

パターン7 パッケージ内にファイル「.DS_Store」が存在する

パッケージ内にファイル「.DS_Store」が存在する Macがアイコンの配置などを記録している不可視の設定ファイル「.DS_Store」がフォルダ内に存在する場合のエラーです。これは不可視ファイルですので通常Macでは見えません。ただし実際には存在するためバリデート時にエラーになってしまいます。「Ds Store Remover」などのツールを使うことで除去できます。

パターン8 パッケージ内にファイル「iTunesMetadata.plist」が存在する

パッケージ内にファイル「iTunesMetadata.plist」が存在する 校正などの目的でiBooksなどのiOS内アプリにデータをコピーする際に、iTunesの同期機能を使うとパッケージ内にメタデータの管理ファイルを作成されてしまい、エラーが出ます。一度EPUBパッケージを解凍し、「iTunesMetadata.plist」ファイルを削除することでエラーは消えます。EPUB3ファイルの校正にiPad等を用いる際には、クラウドサービス「DropBox」経由でファイルを転送すると、この問題は起きませんので、そちらの方法をおすすめしておきます。

バリデータ通過画面

バリデータ通過画面

 これらのエラーを全て解消し、IDPFのバリデータをクリアすると「Congratulations!〜」と画面に表示されます。バリデータではきちんとCSSが適用されているか、XHTMLの表記が適正かといった部分まではチェックしてくれませんのでそうした校正は別立てで行う必要は当然ありますが、とりあえずはこれで最低限の「エラーを引き起こさないファイル」になったと言えるでしょう。

 なお、緊デジでEPUB3を制作する際に出てくるさまざまな問題を制作者同士の情報交換である程度解決するために、情報交換wiki「緊デジWiki」を先日公開しました。ご利用いただければ幸いです。

(2012.10.16)

「電書ちゃんねる」に、epubcheckに関する記事が掲載されたようです。「エラーメッセージ一覧日本語訳」はとても参考になるありがたい資料ですのでぜひ参照することをおすすめします。

(2013.5.23追記)

プロフィール
Jun Tajima

こちらにて、電子書籍&Web制作を担当しています。
このブログは、EPUB3をはじめとした電子書籍制作担当オペレータからの、「電子書籍の制作時にたとえばこんな問題が出てきていますよ」的な「現地レポート」です。少しでも早い段階で快適な電子書籍閲覧・制作環境が整うことを願って、現場からの声を発信していこうと目論んでおります。

当ブログ内の記事・資料は、私の所属しております組織の許諾を得て掲載していますが、内容は私個人の見解に基づくものであり、所属する組織の見解を代表するものではありません。また、本ブログの情報・ツールを利用したことにより、直接的あるいは間接的に損害や債務が発生した場合でも、私および私の所属する組織は一切の責任を負いかねます。

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